彦根市の隣の米原市の琵琶湖岸付近(彦根市から車で15分くらい)に「七夕伝説」の残る地域があります。毎年7月13日(新暦)には、七夕石のある蛭子(ひるこ)神社(米原市世継)で短冊祈願祭が営まれます。蛭子神社の境内では、13日の短冊祈願祭に向け、ササ飾りに、住民らが願い事を書いた短冊を結びます。当日は、願い事の成就を祈る神事が境内で行われます。
「天野川(あまのがわ)」という名の川をはさんで、「彦星塚」と呼ばれる石造の宝篋印塔(ほうきょういんとう)と、「七夕石」と言い伝えられる自然石が、それぞれ両岸の神社に祀られています。彦星塚は、天野川左岸の朝妻神社(米原市朝妻筑摩)にある高さ約1.9メートルの石造宝篋印塔。七夕石は、右岸の蛭子(ひるこ)神社(米原市世継)にある高さ60センチほどの自然石をそのまま置いたとみられる石塚。2つは、川をはさんで約500メートルの距離にあります。天文研究者は「天野川を『天の川』に見立て、彦星塚を牽牛星のアルタイルに、七夕石を織女星のベガとして配置したのではないか」と指摘しています。
実は、この2つの石塚と自然石には、この世継地区に残る七夕伝説に登場する歴史上に実在したとされる2人の人物が祀られています。日本各地に、七夕伝説がたくさん残る中で、実在したとされる人物の実話ぽいエピソードが、七夕伝説というか七夕実話というケースは珍しく、この点も興味深いところです(七夕伝説?実話?の内容は、後で詳しく書きます)。
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