彦星塚は、天野川左岸の朝妻神社(同市朝妻筑摩)にある高さ約1.9メートルの石造宝篋印塔。七夕石は、右岸の蛭子神社にある高さ60センチほどの自然石をそのまま置いたとみられる石塚。2つは、川をはさんで約500メートルの距離にあります。
天野川を星空の天の川(天の河)に見立てると、星空のベガとアルタイル、地上の蛭子神社と朝妻神社の位置は、左右逆の「鏡像」の関係にあります。 このことは、私立天文台・ダイニックアストロパーク天究館(多賀町多賀)の高橋進館長は「星図の中には、球体の表面に星を配置した『天球儀』を基に描かれたものがあり、その場合は、地上から見上げた夜空と逆の鏡像のような星図になる」と指摘し、神社の配置は、そうして描かれた星図を基にした可能性もあるとみて、「七夕伝説に合わせ、意図的に神社の配置を決めた可能性がある。この地が当時、高い文化を持っていた様子がうかがえる」としています。
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